インナーチャイルドカード大アルカナの6番は「ヘンゼルとグレーテル」。
「お菓子の家」と言う方がわかりやすくて、凄くワクワクゆめのあるお家を想像するのですが、実際のヘンゼルとグレーテルの物語ができた時代背景は全くそんなワクワクする時代ではありませんでした。
とはいっても、通常のタロットカードでも、このインナーチャイルドカードの絵柄からもわかるように「恋人」を表すカードです。
ここではそんなインナーチャイルドカードの「ヘンゼルとグレーテル」のカードについて解説していきます。
Contents
ヘンゼルとグレーテル(Hansel and Gretel)の意味
インナーチャイルドカード大アルカナの6番は「ヘンゼルとグレーテル」
インナーチャイルドカードのヘンゼルとグレーテルのカードは、兄と妹の献身的な冒険の中で学ぶ、神聖な愛の初歩的な姿を表したものです。
これは、関係性における信頼と忠誠の必要性を伝えたもので、高いレベルにおいては、肉体と精神的愛の間のバランスのシンボルでもあります。
ここでいう愛とは、恋人感動詞のLOVEを超えたもっと深い愛、慈愛に近い愛であると捉えてください。
ただ、このヘンゼルとグレーテルのお話はとても苦しい時代に生み出されたものなで、それを隠すために、お菓子の家という幻想で乗り超えてきた時代背景があります。
このことを知ると、このカードからのメッセージに隠された深い愛に気づくことが出来るでしょう。
ヘンゼルとグレーテル(お菓子の家)のストーリー
グリム童話に収録されているヘンゼルとグレーテルは、実は長く続いた飢饉で困った親が口減らしのために子捨てをするストーリーです。
実際に、中世ヨーロッパの大飢饉(1315年~1317年の大飢饉)の記憶を伝える話という見方もあり、この大飢饉の時代は16世紀末のジャガイモの耕作の始まりまで長く続きく辛い時代でした。
ある森のそばに、貧しい木こりの夫婦とその子であるヘンゼルとグレーテルの兄妹が暮らしていた。その日のパンに事欠くほど貧しかった一家は、あるときからまったくパンが手に入らなくなり、どうしようもなくなった。そんな夜、お母さんは木こりに子供を森の中に捨ててくるように提案する。お父さんはためらうが、お母さんに押し切られて承知してしまう。
両親の会話を漏れ聞き、妹のグレーテルは泣き始めるが、兄のヘンゼルは自分がなんとかするからと妹をなだめ、ひとり外に出て月の光を受けて光る白い石をポケットいっぱいに集めた。
翌日、両親に連れられて兄妹は森の中へ入っていくが、帰りの道しるべとしてヘンゼルは道々白い石を落としていった。森の真ん中で両親はあとで迎えに来ると言い残して去って行き、そのまま夜となった。泣き出すグレーテルの手を引いて、白い石を辿りながら夜通し森を歩き、朝になってふたりは家にたどり着いた。
お父さんは子供たちの帰還を喜ぶが、お母さんは表面では喜んだものの心中では怒っていた。パンが底をつきかけた頃、お母さんはきこりにふたりが家に戻って来られないほどの森の奥まで連れて行こうと持ちかけ、お父さんは一度やってしまったことだからとやむなく承諾した。両親の会話を聞いていたヘンゼルはまた小石を拾いに行こうとするが、戸口が閉められていて拾うことができなかった。
翌朝、両親に連れられて兄妹は森に入った。ヘンゼルは小石の代わりに弁当として与えられたパンをポケットの中で粉々に砕き、道しるべとして道々落としていった。ふたりは生まれてから来たことも無いほど森の奥に連れて行かれた。お母さんたちは夜になったら迎えに来ると言い残して去って行ったが、昼が過ぎ、夜になっても誰も現れなかった。
月が昇り、ヘンゼルは目印となるはずのパンのかけらを探したが、パンのかけらは森の何千もの鳥がついばんでしまったため、見つけることができなかった。ヘンゼルとグレーテルは野いちごで飢えをしのぎながら3日間森の中をさまよった。
3日目の昼頃、森の中で屋根がケーキ、壁がパン、窓が砂糖で作られた小さな家を見つけた。ふたりが夢中でその家を食べていると、中から老婆が現れた。老婆は驚くふたりの手を取って家の中に誘い、食事やお菓子、ベッドを提供した。しかし、この老婆の正体は子供をおびき寄せ、殺して食べる悪い魔女だった。
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翌朝、ふたりが目覚める前にベッドに現れた魔女は、ヘンゼルを掴むと狭い家畜小屋に押し込んだ。次いでグレーテルを大声で起こし、おまえの兄さんを太らせてから食うから、そのための食事を作れと命じた。グレーテルは泣きながらも魔女の言うことを聞くしか無かった。それから毎日のようにヘンゼルは上等の食事を与えられた。目の悪い魔女はヘンゼルの指を触って太り具合を確かめようとしたが、ヘンゼルは指の代わりに食事の残りの骨を差し出したため、魔女はヘンゼルが一向に太らないのを不思議に思い、ヘンゼルを食べるのを先延ばしにしていた。
しかし、4週間も経つと魔女はついに我慢ができなくなり、ヘンゼルが太っていようといまいと、明日殺して煮て食うから大鍋の準備をしろとグレーテルに命じる。翌朝、グレーテルに大鍋を火にかけ湯を沸かすように言いつけ、魔女はパンを焼くかまどを準備しはじめた。グレーテルは兄を煮るための鍋を沸かすに至った自分の運命を嘆き、神に苦しみからの解放を祈った。
そのとき、魔女がグレーテルを呼び、目の悪い自分の代わりにパン釜に入ってパンの焼け具合を確かめろと言いつけた。内心、魔女は中に入ったグレーテルを閉じ込めて、焼いて食べるつもりだった。ところが、神がグレーテルに魔女の意図を教えたため、グレーテルは釜に入るやり方が分からないふりをして、魔女に手本を見せるように促した。魔女が釜に入った途端、グレーテルは魔女を押し込み外からかんぬきを掛けた。釜の中から魔女のうめき声がし始めたところでグレーテルは台所から逃げ出したので、魔女はそのまま焼け死んだ。
グレーテルはヘンゼルを助け出し、ふたりは喜び合った。魔女の家には多くの財宝があり、ポケットにいっぱいの宝石や真珠を詰めたふたりは家路についた。家ではお母さんが病で亡くなってしまい、お父さんは子供達を捨てたことをずっと悔やんでいた。帰ってきたふたりの姿を見てお父さんは喜び、子供たちが持ち帰った財宝で金持ちになった。
引用:ウィキペディア
このカードがリーディングに現れるとき
このカードがリーディングに現れる時、意識下で霊的な通過儀礼、もしくは統合が生じている時です。
誰の中にもある男性性と女性性のバランスがあり、それを安定した状態に保つ時期が来ていることを示すカード。
もしくはソウルメイトと思える人と出会い、新しい人生へ向かう前触れと考えてもいいでしょう。
ただここで注目してほしいのは、木の上にくくりつけられたハートの形をしたピンク色の物体。
あなたはこれが何に見えますか?
ハートを失くして向かう先にあるお菓子の家は、欲求を満たす場所でしかありません。
そして、お菓子の家でお腹いっぱいになることは、低次な欲求を満たすことを表しています。
手をつないでともに人生を歩んでいこうとする、あなたとその人との間に、愛情があるかどうかを再認識する時期でもあります。
愛情がないと感じたならば、木の上に結び付けられているハートを取って、2人で分かち合えばいいだけです。
ヘンゼルとグレーテルの物語の中で、幼いわが子を森へ捨てに行くことを決断する母親は、人生の厳しさに負けて愛を失ったことの象徴として解釈されています。
ただ私はそうとは思えないのです。
私がこのカードを見た時に感じたことは、新しい場所へ向かおうとするワクワクする子供心でした。
そしてヘンゼルとグレーテルの母親が「人生の厳しさに負けて愛を失ったことの象徴」だと知ってからは特にです。
母親として、子離れする我が子を信頼する大きな愛があります。
社会という荒波と欲望の中に身を置かなければならない我が子のために、ちょうどよいタイミングで子供に届くことを願って「あなた達を見守っているよ」と云う証のハートを木にくくりつけてた、母の愛のような感じがしました。
または、危険を知らせるために自分の身を呈して子供へ伝えるための愛情のようにも思えます。
キーワード
- 愛
- 友情
- 美
- 直感
- ひらめき
- 透視力
- 男性性と女性性の統合
- 信頼
通常のタロットカード
●The Lovers(恋人)
通常の他トッロカードでは、ライダーウエイト版もマルセイユ版も同じ「恋人」を表すカードです。
現実的には、恋人が現れることを教えてくれていたり、身近にいる誰かとぐんと親しくなる時に現れるカードです。
ライダーウエイト版
マルセイユ版
マルセイユ版では、おなじ恋人のカードでも「直感」というキーワードがプラスされています。
2人から誘われているように見える真ん中の人物は、どちらかを直感で決めなければいけません。
恋愛とは関係ない時にこのカードが出てきたら、魂とのつながりを示す人物であったり、天命になりうる魂の仕事を見つける時期に来ていると解釈できます。
まとめ
ここでは、インナーチャイルドカード大アルカナの6番「ヘンゼルとグレーテル」について解説しています。
インナーチャイルドカードは、一般的なタロットカードと違って、カードの絵柄が出た時に、そのカードを見たあなたが何を感じ、何を思い出すのかにフォーカスしていきます。
同じカードでも、見る時期や環境によって感じ方がガラリと変わります。
その時のあなたの心が感じるものにフォーカスしてあげてください。
それによって、あなたの中に取り残されてしまったままのインナーチャイルドを癒してあげることが出来るのです。
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